事業者の中でポスティングをしてみたが、なかなか効果が出ない・・・と思っている人はいるかと思います。
ポスティングは万能な宣伝方法ではないと思っています。業種によって向き不向きがあります。
そのようなときは、違った宣伝方法を試してみるとよいかもしれません。たとえばWEB広告です。
ポスティングの想定値
ポスティングは宣伝方法の1つです。
どのくらいの数字が想定値なのかをインターネットで調べてみると、以下のような数字をよく目にします。
- 反応率は0.01%~0.3%。
- 1枚5円前後。地域によっても異なる。
- デザインを作ってもらうと20000円ほど必要となる。
利用する業者によって多少金額に差はありますが、大体このくらいかなと思います。
狙った地域に大量に広告を配布できるといったメリットがある一方、ターゲット以外の家にも配布してしまうといったデメリットがあります。
- 年齢
- 性別
- 形態(一人暮らし、家族など)
これらを絞り込むことができないのです。つまり「数打てば当たる戦法」なのです。
年齢や性別などに関係ない業種であればよいのですが、そうではない場合、無駄な配布をすることになってしまいます。
広告の効果を高めるためには、欲をいうとターゲットにのみ広告を配布できれば反応率はかなり高くなります。
ポスティングの部数・金額・反応率
簡単な表を作成してみました。
反応率が0.01%~0.3%というとかなりの開きがあります。
扱っている商品単価にもよりますが、50000円使うのであれば2件~3件は反応が欲しいところです。
何を反応と捉えるのかが大事なポイント
ビジネス的には、使った金額を回収できれば問題ありません。
50000円かけて反応率が0.01%の場合、1件となります。反応率が0.3%であれば30件です。
50000円で30件も反応があったら非常に良い結果といえると思います。
ただしここで問題があります。
- 何をもって反応とするのか
- 反応率がどのくらいになるのかはやってみないとわからない
- 継続してみないとわからないことがある
- デザインやキャッチコピーを変えてみなければわからないことがある
ここをしっかりと考え予測しないと、ポスティングで得られる効果、そして将来の動向に迷いが生じてしまいます。
ポスティングを行った事業者の話
ここである事業者の話を出してみたいと思います。
地域に特化したサービス業を行っています。1単価当たり25000円となります。そして基本的に毎月継続的に利益を上げられるビジネスモデルです。
どのような宣伝方法が当たるのかがわからないため、いろいろやってみることにしました。
その1つがポスティングでした。
20000部配布し2件の反応 しかし・・・
20000部(100000円)を配布してみることにしました。1単価当たり25000円であるため、4件獲得できればポスティング代金をペイできたということになります。
結果として問い合わせが2件ありました。反応率でいうと0.01%となります。
0.01%といえばポスティングの想定の数字ではあります。
ではよかったのか?というとそのようなことはありませんでした。なぜなら「問い合わせ止まりだったため」です。
利益には結びついていないのです。
1件でも獲得できれば、1単価当たり25000円で継続モデルであるため、4ヶ月で広告費を回収でき、そこから先はプラスとなります。
しかし1件も獲得できていないため、まったくの無駄に終わってしまいました。
と考えることもできます。
20000部配布し20000世帯に宣伝できた しかし・・・
違った考え方をすると、20000部配布したことによって、20000世帯へビジネスを宣伝できたわけです。
すぐにお客様が取れなかったとしても、少なくても知名度は上がったことでしょう。将来の売り上げの種をまいた・・・と考えるとよいと考えることもできるかもしれません。
しかし種は身を付け回収できなければなりません。回収までのスパンが長すぎては、事業が持たなくなってしまっている可能性があります。
ポスティングは向いていない業種であると判断
結論として、今回の事業者のビジネスにおいてはポスティングはあまり効果がないという判断を下しました。
というのも、その先数ヶ月、さまざまなお客様にアンケートを取った結果、ポスティングがきっかけだったお客様はゼロだったためです。
このアンケートに大きな意味があります。
またホームページのアクセス解析をポスティング配布中に見ていました。多少数字は上がったため、これも反応といえば反応です。
このホームページでのアクセス解析も大きな意味があります。
アンケートではポスティング効果はゼロ、アクセス解析では若干のアクセス数アップ程度の結果に終わりました。
数字にはつながりませんでしたが、まったくの効果ゼロではなかったため、資金に余裕があるときには考えてもよいかなという程度となりました。
この結論に達することができたのも収穫ではあります。試してみたからこそ、この業種にポスティングは向かないと判断できたのです。つまり他の宣伝方法にシフトチェンジできるきっかけ作りにもなったのです。
淡い期待で効果の薄い方法を継続するのは危険 他の方法を模索したほうがよい
知名度を高めるために、回収できるかわからない投資を何度も続けるのはかなり危険な行為です。
小規模事業者にとって100000円は非常に大きな投資となります。何度も実験的に使える金額ではありません。
この世にはさまざまな宣伝方法があります。ポスティングがうまく行く業種もあれば、そうではない業種もあります。逆に考えると、だからこそさまざまな宣伝方法があるといってもよいかもしれません。
ちなみに今回紹介したビジネスは、極端にターゲットが限られた層となっています。20000部配布しても、ターゲットに届くのは20%程度であると考えます。
そう考えると、ポスティング以外の宣伝方法を選んだ方がよいかもしれません。
ポスティングに向いていそうな業種
ちなみにポスティングで高い効果を出しそうな業種はターゲット層が広い業種でしょう。
たとえば以下のような業種です。
- 美容院
- 整体
- DVD
- ジム
- 飲食
つまり多くの人、そして年齢性別関係なく利用しそうな業種となります。あくまでも予想です。
WEB広告の方が成果が出た
ポスティングであまり効果を得られなかったため、違う宣伝方法を利用してみることにしました。
それが「WEB広告」です。
WEB広告であればポスティングの弱点であった以下のことをある程度解消することが可能となります。
- 年齢
- 性別
- 形態(一人暮らし、家族など)
結果として、成果を出せるようになりました。大きな成果とまではいきませんが、WEB広告であれば継続的に行ってもよい宣伝方法だと判断できるくらいの成果です。
つまり広告費をペイできるほどの成果が出たということです。
運用が難しい
ただしWEB広告は運用が難しいという欠点があります。
誰でもはじめることはできます。設定すれば広告を出すことができます。
しかしその道のプロが運用するのと、そうではない人が運用するのとでは、かなりの数字の開きが出てくることがよくあります。
どの業種にも1つは適する宣伝方法がある
経験上、どの業種にも1つは適する宣伝方法があると思います。
それが何なのかは、情報を集めたりプロに相談しないとわからないと思います。
また同じ業種であったとしても、地域が違うだけで数字が全然変わることもあります。
どの宣伝方法を利用するにしても、必ず数字を取れるようにしておいた方がよいでしょう。
たとえば以下のようなものです。
- 来客数の確認
- 電話の件数
- 問い合わせフォームの問い合わせ件数
- ホームページのアクセス数
- QRコードの読み込み数
- 直接お客様からのアンケート
これらは最低限でもチェックしておくとよいでしょう。
たとえば弊社はホームページ制作を行っているため、その観点からいうとアクセス解析は重要です。
- 広告を出した・・・アクセス数が増えた・・・売り上げが上がらない・・・ホームページの見せ方や商品に問題があると予想できる。
- 広告を出した・・・アクセス数が増えない・・・広告自体に問題がある、ターゲットに届いていない
- 広告にQRコードを付けた・・・アクセスが増えた・・・広告に興味があることがわかる
- 広告にQRコードを付けた・・・アクセスが増えない・・・QRコードを読み込むほどではないとユーザーに判断されていることがわかる
などの判断ができます。
いずれにしても、もしお金をかけて宣伝をするのであれば「何となく」ではなく「こうだから効果があった、効果がなかった」とデータを取るようにするとよいと思います。