以前からあったサービスですが、「制作費が無料となるホームページ制作サービス」は存在します。
ホームページ制作といえば、ある程度まとまった金額が必要となってきます。そのため制作費が無料ということであれば、かなり魅力的に感じるかもしれません。
しかしこのサービスには大きなデメリットがあります。
それは「解約したらホームページはなくなってしまう」ということです。
ホームページをどのように使うのかにもよります。
- 期間限定でホームページを持ちたい
- 誰にも見られなくてもよいので、会社の名刺(看板)代わりのホームページが欲しい
このような場合であれば、利用価値があるサービスといえます。
ところが
- ホームページを多くの人に見てもらいたい
- インターネットで集客したい
- 長く事業を経営していきたい
このような場合であれば、無料サービスは避けたほうがよいと思います。
解約したらホームページがなくなるはビジネス全体に影響するほどのリスク
解約したらホームページがなくなるということは、インターネットでビジネスをする上では非常に大きなリスクとなります。
意外と軽視されてしまいがちなのですが、ここからお話しする内容は非常に重要なことです。
ドメインがなくなる・変わるリスク
ホームページの価値は「ドメイン」に付与されます。あなたの「サービス」であったり「会社」に付与するわけではありません。
たとえば「https://abc.com/」というドメインでホームページを持っていたとします。
継続的に運営していることで、1日当たり100人の人から見られるようになったとします。
そこで毎月お金を支払うのがもったいないからということで、解約したとしましょう。
すると「https://abc.com/」は使えなくなります。そしてホームページも消えてしまいます。
1日当たり100人の人に見てもらえていたホームページは消えてなくなるということです。
ではドメインを変更してほとんど同じホームページを作ったとしましょう。たとえば「https://abc-abc.com/」などのドメインを使ったとします。
しかしそれは価値がゼロからはじめることになります。よって今までのように1日100人のユーザーが突然来てくれることはありません。
これまで1日100人に見られていたホームページを持っていたのに、1日0人のホームページを持つことになってしまうのです。もはやホームページとしての価値はなくなってしまうのです。
ドメインを変更したことで大きな損失を受けた実例
以前関わったことがある2つの案件の話です。
どちらとも大きくアクセス数が下がってしまったということです。
その2つに共通していたことは「サイトのリニューアルをしたこと」です。
メインのドメインは変わってはいなかったのですが、そのほかのページURL(ファイル名)が変わってしまっていました。
検索エンジンは各ページに対して評価を行い、検索順位として表示します。
つまりサイトリニューアルの基本は、評価されているページのURLを絶対に変更しないということです。これはWEB系の仕事をしている人からすると基本中の基本の話です。
もし変更したいのであれば、リダイレクトをする必要があります。つまり「このページはこのページになったよ」という命令を出すのです。
よって、ドメインやファイル名を変更することのリスクは大きく、場合によっては経営を大きく傾けてしまう可能性があるのです。
被リンク素材に使われるリスク
ホームページというものはさまざまなサイトからリンクがついていると、価値が高まりやすくなります。
それにより、さまざまなキーワードで検索上位表示することが可能となります。
そこで多くのサイトからリンクを集めたいと考えるものですが、なかなかリンクを付けてくれるわけではありません。
無料ホームページ制作サービスを使ってホームページを制作した人がいたとしましょう。
しばらくして契約更新をしなかったとします。ホームページは削除されます。削除されまずが「他の内容に書き換わるケース」がほとんどです。
そして「被リンクの素材」として使われるのです。
つまり「ホームページの順位を上げます」というサービスに使われるのです。実際にそのようなサイトを見たことがあります。
よって今まで自分のホームページだったのに、内容は書き換えられ、他のホームページの順位を押し上げる材料となってしまうのです。
これまでの宣伝が無駄になる
たとえば事業者であれば名刺やチラシを作り、さまざまな人に配布することでしょう。
そこには「サービス名」「サービス内容」「名前」などのほかに「ドメイン」「メールアドレス」などを記載する人も多いでしょう。
ホームページを削除したり、ドメインを変更するということは、今まで名刺やチラシで広めてきた内容に誤りが出てきてしまうのです。
- 名刺に書かれているドメインにアクセスしても、全然違うホームページに行ってします。
- 名刺に書かれているメールアドレスにメールしても届かない。
店舗看板にドメインが記載されている場合にも、ドメインを変更する必要があるでしょう。
思うように修正・更新ができない
ホームページに人を集めるためには「修正・更新作業」が重要な要素となってきます。
更新作業というのは、ページを追加したり、文章内容を追加したりです。
この作業を行わないと、かなりの高確率で誰にも見られないホームページとなります。ユーザーがホームページに来てもまったく更新されていないと、「この会社大丈夫?」と思われてしまい、信用を失ってしまう可能性もあります。
だからインターネットで成功している会社は、頻繁に更新しているのです。少なくても作ったら終わりということはしていません。
しかし安い金額でホームページを作成した場合、修正や更新できない、もしくはその範囲が限定的ということがよくあります。
よくある話が、「1ヶ月での修正は3回まで」などといった具合です。それ以上に修正や更新をしようと思っても、別途金額が発生することになります。
勝手に引き落としがされ続ける
無料でホームページを作ると、ある意味簡単に手を入れたことになります。
簡単に手に入れたものに対して、人はあまり興味を示しません。
そのため、毎月ホームページの金額が自動で引き落とされていてもあまり気にならなくなってしまったりします。まるで通っていないジムのようなものです。
基本的にインターネットの会社は返金に対応していません。
このように解約したらホームページがなくなってしまうというのは、非常に大きなリスクです。
しかしこのリスクをよくわからない人は多いことでしょう。
冒頭でもお話ししましたが、ホームページを誰にも見てもらえなくてもよいというのであればよいと思います。
でも少なくても将来的にインターネットから集客したい、いろいろな人に見てもらいたい・・・と思うのであれば、しっかりと作成したほうがよいと思います。
たとえば弊社の場合、2023年時点でのホームページ制作最低料金は30万円とさせていただいております。
ただし補助金を使うことで、その金額を3分の1にまで減らすことができます。そのため10万円でホームページを手に入れることができるということです。
何を目的としてホームページを持つのかにもよりますが、インターネット業界に長くいる身としては安すぎるホームページは避けたほうがよいと思います。