最近のホームページは「WordPress(以後WP)」と呼ばれるCMSというものを使い作られているケースが多いです。
CMSというのは大工のようなもので、そこにホームページという家を建てていくイメージです。
ホームページという家を建てる際に、テンプレートと呼ばれるものを使う場合と、使わない場合があります。
テンプレートにはいろいろあり、ある程度作り込まれているものから、基本的な骨組みしか作られていないものまでいろいろです。
またテンプレートも有料のものと無料のものがあります。
一方、そのテンプレート自体をゼロから作り上げてホームページを作るケースもあります。
テンプレートとは
まずテンプレートですが、基本的なファイルがはじめから作られている状態となります。
- index.php
- single.php
- page.php
- header.php
- footer.php
- archive.php
- style.css
などが既に存在し、さらに基本的なCSSが設定されています。
またテンプレートの中には細かい設定を行うことができるように、「サイトの文字色」や「背景色」などを感覚的に設定できるものもあります。
そのためテンプレートの中にもレベルがあり、たとえばホームページ制作の初心者が全く触れそうにないようなものであったり、初心者でもある程度豪華なホームページが作れるような作りになっているものまで幅広くあります。
細かいところを触れない仕様になっているケースがある
初心者でも豪華な見た目のホームページが作れるようなテンプレートは、ある意味便利ではありますが、ある意味不便でもあります。
まず便利な点は、先ほどからお話ししている通り、それなりの見た目のホームページが作れてしまう点です。
不便な点は、柔軟なカスタマイズができない点です。
ホームページをある程度運営していくと、「ここをこうしたい」という修正や改善を求めるようになります。しかしテンプレートでがちがちに構築されている場合、ほんの少しの修正が難しかったりすることがあるのです。
また便利な機能がテンプレート内に多数存在する場合ですが、それらの機能をすべて使うのであればよいかもしれませんが、使うことのない、必要のない機能が多く設定されていることがあります。
それはつまり、余計なコードがホームページ内に出力されてしまっていることになります。するとそれらが原因でエラーが起こったり、とくに多いのはホームページの読み込みスピードが遅くなったりすることがあります。
そうなってしまうと、今度は検索エンジンに対してマイナスの印象を与えることとなってしまいます。
ホームページは多くの人に見られて初めて存在意義があります。しかし検索エンジンでマイナスの評価を得てしまうと、誰も来てくれないようなホームページになってしまうことがあるのです。
またたとえばSNSと連携ができる機能が設定されているテンプレートの場合、SNS側がバージョンアップした際にテンプレート側もそのバージョンに適応しなければなりません。ところが更新型のテンプレートでない場合には、バージョンアップすることができず、ホームページ内でエラーが発生することがあります。
これも結果的に検索エンジンのマイナス評価につながってしまうのです。
テンプレートを使わない この世に1つしかない意味はあるのか
テンプレートを使わない、つまりゼロから作り上げる場合には、この世に1つしかないホームページが完成することになります。
悪くはないのですが、その場合、ある程度知識や経験のあるコーダーやプログラマーが近くにいる場合には、それでもよいかと思います。
WPや、それに付随するプラグインはどんどん更新しています。またPHPのバージョンもどんどんバージョンアップしていっています。
PHPをバージョンアップしたらホームページが表示されなくなってしまうという事態が発生することがあります。
これはプラグインでもWPでも同じことが起こると推測されます。
よっていつでも修正することのできる知識を持ったコーダーやプログラマーが近くにいるのであれば、ゼロからホームページを作り上げるのもよいかと思います。
テンプレートを使うと更新される
随時更新をしてくれるテンプレートが存在します。
WPやプラグインなど、さまざまな変化に自動で対応してくれるのです。
つまり先ほどお話ししたテンプレートの修正作業が必要なくなるのです。
この点からすると、更新型の無料テンプレートを使用するという方法はアリだと思うのです。
同じテンプレートを使っても見た目は大きく変わる
よく勘違いされることですが、同じテンプレートを使うと見た目が同じになってしまう・・・と心配する人は多いです。
しかし同じテンプレートを使ってホームページを作成しても、見た目をガラッと変更することは可能です。
つまりテンプレートを使ったから、あの会社と同じようなホームページになった・・・ということを避けることは全然可能なのです。
テンプレートを使うと制作金額を抑えることが可能
テンプレートを使った方が制作代金を抑えることは可能です。
ゼロから作成する際には、テンプレートから作成することであり、その分の工数が発生します。つまりその分高くなります。
ただし改造をしなければの話です。
テンプレートを使ったとしても、いろいろ改造していけば工数が増えるわけであり、金額は高くなります。
そのため、最終的にどのようなホームページを持ちたいのかにより、テンプレートを使うのか、それともゼロから作るのかを決めてもよいかと思います。
はじめのうちはテンプレートを使ってホームページを作り、アクセス数が上がってきたら、もしくは売り上げが立ってきたらゼロから作るという方法もあります。
しばらくホームページを運営していく中で、「このような機能が欲しい」という考えが出てくると思います。
その考えをゼロから作るときに反映させればよいかと思うのです。
テンプレートをゼロから作るのは実はゼロからではないことも
実はゼロからテンプレートを作る・・・といっている制作会社の中には、実際にはゼロから制作していないケースがあります。
WPのテンプレートの骨組みを作るサービスが実はあり、そこからダウンロードしてきているケースがあるのです。
たとえば「Underscores | A Starter Theme for WordPress」です。
このようなサービスを利用すると、基本的なテンプレートを誰でもすぐに無料で手に入れることは可能です。
ただ実際は、このファイルをダウンロードしただけでは骨組みの状態です。基本的なファイルだけを手に入れられることになります。
そのためゼロからといえばゼロからとはなります。
基本的なファイルといっても、結構いろいろなファイルを手にすることができます。そのためホームページを作る際に実際に使わないようなファイルも入っています。
そしてたとえば「CSS(デザインをつかさどるファイル)」ですが、この中にはいろいろなCSSがすでに入っています。数えてみましたが「約970行」のCSSがはじめから記述されている状態となります。
そう考えると、ゼロからではないとも受け取ることができます。
制作会社としてのテンプレートを作る
今回例に挙げたような基本的なテンプレートをダウンロードしてきて、その制作会社用のテンプレートを作っているケースが結構あります。
そして制作の依頼を受けたときには、制作会社がカスタマイズしたテンプレートを基に作ったりするのです。
ここでポイントは、はじめのテンプレートが同じであっても見た目を同じにすることも、まったく異なったようにすることもできるということです。
よってはじめの話に戻りますが、テンプレートを使おうと使わなかろうと、あまり関係ないのです。
参考サイトを提示する
実力のあるホームページ制作会社であれば、ある程度のホームページを作成することができます。
そのため、「こんな感じのホームページが欲しい」と参考となるサイトをいくつか提示してあげれば、大抵制作してくれます。
ただし、内部的なシステムとして「こうしたい」という希望に添えない可能性はあります。なぜならそれは「プログラム領域だから」です。
ただどの部分がプログラムであるのかは、詳しくなければわからないことでしょう。
そしてどのような機能が将来的に必要になってくるのかも、はじめの段階ではわからないことでしょう。
そのため、はじめの段階ではあまり金額をかけずにホームページを作ってみるとよいでしょう。
そして運営していく中で、必要な機能をピックアップしておき、制作会社に相談してみるとよいでしょう。
もしその制作会社が請け負えない技術だったとしても、どこかしらの会社は請け負えるものです。