2017年、10月12日~15日まで、韓国の大邱(テグ)で学会に参加し発表をさせていただいてきました。
発表内容は簡単にいうと、「今までのサイトへのアクセスデータを基にして、今後のアクセス数を予測する。」といった内容です。
自社が運営するアフィリエイトサイトのデータを利用し、それを論文として発表したのです。
今回の発表に至るまでの経緯をお話ししたいと思います。
事の始まりは居酒屋から
事の始まりは、2016年11月17日に大学で講師をさせていただいた時までさかのぼります。
その時にお世話になった富士常葉大学の竹安教授と数名で居酒屋にいたときの話です。突然教授から、「国際学会で発表しますよね?」という投げかけに対し「お願いします」と答えたところから始まりました。
非常にインパクトが強く残っているのですが、普通は「国際学会で発表しますか?」と問いかけてくると思うのです。それが「発表しますよね?」という「当然やるだろ?」みたいな感じで問いかけられたことに強いインパクトとして残っているのです。
私としてもこのような機会はなかなか得られるものではないと思い、被せ気味に「はい、お願いします。」返答させていただきました。
それからが大変でした。新しいこと、慣れないことを始めるのはなかなかパワーのいるものです。
まず学会での発表は英語となります。そのため論文も英語です。
塾で高校入試レベルは教えているものの、学会レベルの英語はまったく違ったものです。これに関しては終始苦労することになりました。
論文のテーマに関してはそこまで困ることはありませんでした。
「自分ならどんな論文が作れるのだろう。どんなテーマであればおもしろいだろう」というところから考え、「アフィリエイターが学会で発表したら面白いのでは?」という考えになり、「運営してするアフィリエイトサイトのデータを利用して論文発表を行なおう」という考えに至りました。
ということで、運営するアフィリエイトのアクセスデータを基に、論文作成をすることにしました。今回利用したデータは以下のサイトから取得しました。
先ほど、教授とのメール履歴をさかのぼってみたのですが、メールでのやり取りが始まったのが今年の2月の始めからでした。そこから、何度か論文データのやり取りが行われ、さらに複数回大学へ行き、直接指導を受けたりしました。
つまり今回の学会のために動き出してから発表をするまでに、約8ヶ月を費やしたということになります。
※もちろん、通常業務を行いながら、その合間に準備をしていました。
準備期間8ヶ月でしたこと
準備期間の8ヶ月で行ったことは「論文作成」「発表用の読み原稿とパワーポイント作成」「発表用原稿の読み練習」が主な作業内容となります。
このすべてにおいて教授には大変お世話になったのですが、その中でも私が特に冷や汗をかいたのは「読み練習」です。
1ヶ月間、毎週大学に通い、教授と1対1で英語での読み練習を行ったわけです。
特に発音に関して数多くの指摘をいただき、指摘を受けるたびに冷や汗をかいていました。
なぜ冷や汗をかくのか。別に発音を間違うことが問題ではありません。
学会初心者の私のために教授がわざわざ毎週、1対1の時間を確保してくださり、練習に付き合ってもらっていると思いがあり、少しでも手間をかけさせたくないという思いがあったわけです。
そのような思いから、なるべく指摘は受けないよう事前に練習していくわけですが、見事に「そこの発音はここを強く。」「そこは上がる。」「そこは伸ばす。」という指摘を受けまくったのです。
「指摘を受けまくった」というのは決して否定的な意味ではなく、ここまで丁寧に対応してくださり本当に感謝しています。
学会開催地 韓国の大邱
8ヶ月の準備期間を経て10月12日、学会の地、韓国に向かいました。ちなみに初韓国であり、さらに現地集合、現地解散です。さらには英語圏ではない。ただただ不安しかありませんでした。
新幹線で品川へ行き、そこから成田エクスプレスで成田空港へ。そこから14時台の飛行機で韓国の大邱国際空港へ。
空港に到着しタクシーに乗り込みホテルへ直行しました。ホテルに着いたのが17時30分くらい。家を出たのが9時くらいのため8時間半ほどかかったでしょうか。
学会での発表
韓国に到着した次の日が発表の日です。ちなみに学会自体は到着した日から行われていたようです。
会場は複数あり、それぞれの会場で誰が何時から何時まで発表するというタイムスケジュールが組まれています。
会場には誰でも入室することができ発表を聞いたり質問ができるスタイルです。
一人当たりの発表時間は20分。15分で発表し、残りの5分は質疑応答です。
用意したパワーポイントを設置されたスクリーンに映して発表していきます。
発表での誤算
何度も練習はしました。実際の所、原稿を読めば良いだけです。それでもやはり本番となると緊張します。
さらに考えもしなかったことなのですが、会場は若干薄暗くなっており、手元に置いてある原稿の文字が見づらいのです。
定められた時間は15分。練習でもかなりのスピードで読まないと間に合わない量の英文を、目を細めながら、さらに間違えないよう、注意しながらの発表となりました。
終始焦ってばかりの発表ではありましたが、無事発表をすることができ、質疑応答。質疑応答も勿論英語です。
始めの質問には普通に答えられ、終わりかなと気を緩めたときに突然教授からの質問が。勿論英語で。
気を緩めていたためか半分以上聞き逃し、何を聞かれているか分からない状態に・・・。
「ちょ・・・先生・・・。質問するなら事前に教えてくれよ・・・。」
明らかに動揺していることが分かったのでしょう。教授はもう一度違った英語で質問してくれ、何とか答えることができました。
と、最後の最後まで焦り倒した発表ではありましたが、本当に良い経験になったと思います。
この機会を与えてくれた富士常葉大学の竹安教授には感謝しかありません。また、竹安教授を紹介してくれた鈴木孔明さんにも感謝です。
学会後には、バンケットがありました。食事会のような感じです。様々な国の大学から集まった教授やその関係者がいます。
食事会が始めると、数人の挨拶の後に、今回お世話になった竹安教授が呼ばれ表彰を受けていました。
実はあまり教授のことを知りませんでした。
大学で教授をしており、かなり多くの本を出版している。さらに以前はコンサルタント会社で働いていたことがあるらしい。
この程度の情報しか持ち合わせていなかったのですが、国際学会で数多くの教授、関係者の中で表彰をされるほどの人物であるということがここで分かったのです。
学会に参加してみて
今回学会に参加してみて、言えることは「非常に良い経験になった」ということです。
「学会で発表したい」と思っていたとしても、以前の私にはどのようにしたら学会に参加でき、さらに発表できるのかなんて知りませんでした。知っていたとしても、やりたいからやれるというものでもないと思うのです。
今回教授からお話をいただいた時に、直感的に「ここだっ!」という感覚は間違いではなかったと思います。
普段は多くの時間を室内で過ごし、コツコツとサイトを作成しているアフィリエイターであり、時折コンサルを行っているクライアントと打ち合わせをするために外出する生活を送っています。
そんな私が、まさか国際学会に参加し発表するなんて全く想像もしていませんでした。
今回は、本当にたまたま「縁」で教授と知り合うことができ、今回のようなチャンスをもらうことができました。
ではそれが「仕事にどんな役に立つの?」とか言われるかもしれません。どうなんでしょう?別に役に立っても立たなくても良いと思います。少なくても自分が興味があったことに参加できたわけですので、個人的にはプラスでした。
また、そのもの自体が直接役に立たなかったとしても、そういったものが少しずつ繋がっていき、結局仕事においてプラスになるということは今までの経験上、よくあることです。
さらに、せっかく自分で会社を経営しているのです。自分がプラスになると思ったことは積極的にどんどんやっていくべきだと思うのです。
一番まずいと思っていることは、頭の中で考えるだけで何も行動せず、後になって後悔することだと思っています。
ということで、初めての学会発表の話はこれでお終いです。来月は去年に引き続き、大学で講師をさせていただく予定になっています。
そして、国内での講師や学会第2弾・・・という話もいただいております。ありがたいお話ですし、興味のあることですので是非やらせていただきたいと思っています。またそのことについてはブログで報告させていただきたいと思います。