検索エンジンは、その精度を年々上げています。一昔前は、まだ精度が低く、バグを突くことが容易でした。上手くバグを突くことができれば、簡単にホームページの順位を上げることができたのです。
その技術は「SEO」と呼ばれ需要も増え、多くの関連会社が一つの事業として立ち上げました。
しかし、次第にそれらのバグは修正され、一昔前に通用した方法は、検索順位を上げるどころか、逆に下げる要因になりかねなくなりました。
困ったSEO会社は模索し始めます。
「現在でも通用する方法はないか」と。
模索した結果、有力な手法を見つけ出す会社が現れる一方、いまでも、依然と同じ方法でSEOを商品として売り出す会社が存在します。
そういった会社で働く営業は知ってか知らずか、営業の電話をかけまくり、自分の会社のSEOサービスを不特定多数の人間に勧め、お客を見つけていきます。
「特定のキーワードで順位を上げると、沢山のお客様があなたのホームページに来ますよ」と言った感じで。
私は企業のWEBコンサルタントをしています。そのため、そういった連絡が業者からあった時には、私に連絡をしてくださいとお願いをしています。
その中で特に印象に残っているやり取りをまとめさせていただきます。
分かりやすいように対話文形式でまとめさせていただきます。
SEO業者A
このクライアントはDekitaを立ち上げたときからのお付き合いで、ホームページを作るところから始めました。そして特定のキーワードで1位を獲得している状態でした。そんなある日、SEO業者から電話がかかってきました。クライアントは専門知識があるわけではないため、私に対応をして欲しいと依頼して来ました。
初めまして、株式会社Aのものです。
わたくし、ホームページ担当の渡邉です。
敢えて、SEOを行っていることは話しませんでした。私がSEOの知識を持っていないと思ってもらった方が、色々話が聞きだせると考えたためです。
今回はSEO対策を弊社のホームページにさせて頂きたいと思い、連絡させていただきました。
そうなんですか。というと?
SEOという言葉を耳にしたことがあるとは思うのですがいかがでしょう?
はい、聞いたことはあります。(心の声:本当はSEO命です。)
弊社では御社のホームページに対し、SEO対策の中でも「内部SEO対策」をさせて頂きたいと思っているのです。
そうなんですか。実際にはどのようなことをお考えなのですか?
実はですね、今、御社のホームページのソースを見ながらお電話させていただいております。基本的なことはされているようですが、まだまだ最適化できると考えています。
そうなんですか。もっと最適化できるとどのような感じになるのですか?
はい、更に検索結果が良いものになると考えています。
更に・・・ですか。費用はどのくらい必要なのですか?
様々なプランをご用意させてもらっていますが、ひと月、49800円の50回払いが人気です。
そうなんですか。もし契約したとして途中解約はできるのですか?
できません。
この辺りで、うんざりしていました。49800円でも効果があれば良いと思います。但し、このクライアントのホームページは狙ったビックキーワードで既に1位。これ以上、検索順位を上げようがないのです。
それにおかしいのは、SEOを売りにしているはずのこの会社が、検索順位をチェックしないで電話してきていることです。つまり、さっき話していた「ホームページソースを見ながら話をしているのですが」と言うことも怪しく思えます。
ただ、もう少し色々聞きたいと思い、話に付き合うことにしました。
ひと月49800円で50回払いとのことですが、費用対効果が取れれば問題ないと思っています。弊社のSEOをお願いしたとして、費用対効果が取れるとお考えですか?
全然余裕だと思います。
この後も、業者の会話は続きます。とても長くて覚えていませんが、とにかく自分の会社のSEO対策は効果があると協調をしていたことだけははっきりと覚えています。
ところが、この営業さんは、決定的なミスを犯してしまいました。SEOに詳しければ間違えないようなミスをです。それをきっかけに、聞き手に回っていた私が反撃を始めました。
先日「パンダアップデート」というグーグルのアルゴリズム更新がありまして、外部から人工的にリンクを送ることは良くないのです。
え?(心の声:パンダアップデートが人工的リンク?)
実はグーグルのアルゴリズム更新は良くされているのですが、特に有名なアップデートには名前がついています。その中でも「パンダアップデート」と「ペンギンアップデート」は多くのホームページの検索順位に影響を与えたものとして非常に有名でした。
パンダアップデートの話を出したのは良かったのですが、この営業が話している内容は「ペンギンアップデート」の事なのです。
純粋にこの営業が勘違いして覚えているのか、それとも私にSEOの知識がないと思い、適当に知っている内容を話しているのか知りませんが、ここから私の反撃が始まりました。
お話の内容はよく分かりました。まず、49800円の50回払いはキツイと思います。解約がいつでも可能であったり、費用対効果が取れれば問題はありませんが、それにしても50回縛りはきついですよ。
弊社は10年間SEOに特化した事業を行っておりまして、確かなサービスを提供させていただいております。なので費用対効果は取れる確かなものです。
ええ、確かなものでしたら、50回縛りを付ける必要はありませんよね。確かなものだったらみんな続けたいわけですから。縛る必要はないはずです。
それにですね、先ほどのお話してくれたパンダアップデートのお話。あなたが話していたのはペンギンアップデートの事ですよ。
違います!パンダです。
いや、ペンギンですよ。人工的なリンクのペナルティについてでしょ?ペンギンですよ。
いえ、パンダです!
パンダとかペンギンとか正直どうでもいいんです。ただ、確かな知識を身に付けている人間が営業電話をしてきているわけではなく、適当に話をしてお客が取れたらラッキーというスタイルが私は気に入りませんでした。
実はこういった業者が多く、そのため、「SEO業者は詐欺だ!」と思われてしまうことがあるためです。
パンダでもペンギンでも正直、どちらでも良いのですが、今、弊社のホームページはターゲットとなるキーワードで検索順位1位です。これ以上、SEOを行う必要はありますか?
ないです・・・。
そうですよね。では。
これが一連の流れです。
営業が一生懸命電話営業をするのは分かります。但し、お客様からお金をいただくのであれば、しっかり下調べをして、しっかり知識を身に付けた状態で営業をかけてきた方が良いと思います。
※今回のお話は、元々弊社のSEO専用サイトに掲載していた「SEO業者 vs Dekita代表(私) 2013年11月」をリライトしました。
ここに掲載している以外にもSEO業者との対決記事をアップしているので、よろしかったら読んでみてください。
※写真撮影場所:富士駅北口