クラウドソーシングが問題になっているということなので、ちょっと意見を言いたいと思い記事にしました。
クラウドソーシングが問題になった理由として、某大手企業のキュレーションサイトの問題があると思います。要するに、安い単価で発注して文章を書かせているということが問題点として挙げられているようなのですが、これ本当に問題だと思いますか?
クラウドソーシングとは
クラウドソーシングを扱うサービスとしては「ランサーズ」とか「クラウドワークス」があります。
そもそもクラウドソーシングなんですが、働き方が多用する現在、「外部の不特定多数の人間に対し、仕事を外注する」ということです。
私自身もよくこのサービスを利用します。主として文章作成や画像作成などです。
自分で文章を書くこともできますが、大量に記事が必要な時、自分が作成していては費用対効果が悪すぎます。また、専門性の高い記事で自分では書くことができない時には、外部に発注します。
デザインも自分で作成するよりも、その道の専門性の高い人にお願いしたほうが、良いものが出来上がります。
このようなことがあり、外部に仕事を発注するわけです。
仕事を受けるか受けないかは自由
クラウドソーシングにおいて仕事を受けるのか受けないのかは自由です。
「仕事をしてもらいたい側」と「仕事をしたい側」を繋ぐのが「ランサーズ」とか「クラウドワークス」です。
例えば「ランサーズ」の場合、仕事をしてもらいたい側が、「○○をテーマにした記事を書いてもらいたいです。1記事1000文字程度で、1記事辺り500円です。」といった感じで募集を掛けます。
それに対して、その仕事に興味を持った人が記事を作成し、納品してきます。
納品された記事に問題がなければ、報酬を支払います。
基本的にはこんな感じです。
この流れに何か問題があると思いますか?仕事を受けたい人が自由に受けられるわけです。受けたくなければ受ける必要はありません。やったらやった分だけお金をもらえるシステムです。
さらに出勤の必要はありませんし、好きな時に仕事をすることができます。
再度言いますが、「何か問題がありますか?」
安い金額で文章を作成しているというがなぜ仕事を受けるのか?
某大手キュレーションサイトの件ですが、「安い金額で長文を書いていた」という話を聞きましたが、そもそもなぜ文章を書いた人はそんな仕事を受けたのでしょうか?
初めから「何文字書く、それに対しての報酬はいくら」というものが提示されていたはずです。それに納得した上で仕事を受けたはずです。それに対して問題はないはずです。気に入らなければ初めから受ける必要がないためです。
また、もし初めに条件を提示されておらず、記事を納品してから条件を知らされたとしたら、条件を知らず仕事を受けること自体おかしいです。
さらに、「お金に困っていて、どんな仕事でも受けざるを得なかった」みたいな理由だとしたら、しっかり仕事を探していない証拠です。ランサーズ内にはもっと条件の良い仕事が沢山あります。
1文字1円が相場?相場なんてものはない
「1文字1円にも満たない安い金額でどうたらこうたら」
こんなニュースも目にしました。
1文字1円が安い金額だと思いますか?某キュレーションサイトの場合、1記事8000文字という噂です。つまり1記事書いたら8000円の報酬が得られるということです。
文章能力は人それぞれです。文章能力が高い人が書いた文章であれば、8000円支払っても良いかもしれません。しかし文章能力が低い人の文章に1記事8000円は高すぎます。
1文字1円は決して安くはない
ランサーズを利用したことがある人であれば分かると思いますが、文章がうまい人もいれば、本当にどうしようもないほど下手な人がいます。
ということもあり、1文字1円というのは決して安い金額ではありません。むしろ良い方だと思います。
正直、パソコンで文を書くことに慣れている人であれば1時間に5000文字程度は打つことができます。
ちなみにここまでこの文章を書くのに15分程度かかっています。文字数は約1600文字です。このままいけば1時間で6400文字です。1文字1円計算であれば6400円となります。時給6400円というわけです。
それを8時間労働で考えた場合、51200円です。
これって本当に安いですか?1か月で150万円超えますよ。
逆算してみます。1か月で30万円稼ぐとします。1日1万円計算です。1万円稼ぐためには10000文字書けばよいです。私が10000文字書くのに要する時間は1時間半ほどとなります。1日1時間半の労働で月収30万円になります。
既に知識としてあるもの、経験したことのあるものを特に考えなしでズラ~と書けば、パソコンで文章を打ち慣れている人であれば、できることです。
これでも安いと思いますか?私はすごい金額だと思います。そのため、1文字1円が安いと言っている人の言っている意味が分かりません。
逆にそう言っている人たちに聞きたいです。
「1文字1円、つまり時給で言うと時給約6400円。それだけの時給をもらう能力があなたにはあるのですか?」と。
※時給6400円というのは、私が文章を書いた時の話です。
安く発注するのは当たり前
仕事を発注する側として、外部にお願いする仕事はなるべく安く発注するのは基本です。
例えば、過去に仕事をお願いをして、ものすごく能力がある人に対しては、それなりの金額で発注することはあります。
しかしどこの誰かもわからず、どの程度の能力を持っているのか分からないクラウド上の相手に、初めから高い金額で仕事を割り当てる人はいません。
また、先ほどから言っていますが、安いと思う仕事であれば、受けなければ良いのです。他を探せばいくらでも良い条件の案件はあります。
例えば、某キュレーションサイトの記事の場合は、専門的な知識を持った人が本来なら書く記事です。そのため、専門家に文章作成をお願いするのであれば1文字1円は安いかもしれません。
しかしどうやら、今回の場合はそうではなく、専門的な知識を持っていない人が作業をしていたようです。つまり、素人に文章を書いてもらったわけであり、素人に対して高い金額を渡すことはおかしな話です。
まとめ
このようにクラウド上の仕事というのは、やりたければやるし、やりたくなければやる必要がありません。条件を飲んだ人のみが仕事を行います。
なので、仕事を終えた後で問題にするのはおかしいです。なら初めからやらなければ良いだけです。
1文字1円が安いという考え方は、ちょっとどうかと思います。
追記
この記事を書いてからSNSで興味深いコメントを数件いただきました。
「ライティングはリサーチして理解して書くから時間がかかる」
こんな感じの内容です。
そうです。ライティングは本来時間のかかるものです。
では、今回の某キュレーションの場合、納品した記事はどれだけチェックされていたのでしょうか?それもその記事に書かれている内容の専門家にどれだけチェックされていたのでしょうか。
つまり、記事を書いた人の中にはしっかりリサーチし理解した上で書いた人もいるでしょう。でも色々な記事を寄せ集めて書いた人もいるでしょう。
そういった記事をすべてチェックしていたのでしょうか。
極論を言うと、チェックする側がしっかりとチェックしていないのであれば、その記事がしっかりリサーチしたものか、適当に寄せ集めてきたものか分かりようがありません。
多くのアフィリエイターは、コピーコンテンツを嫌いますので、納品された記事はツールを使ってチェックをします。
なので、「調べて、理解して書くから時間がかかる」という意見がありましたが、チェックをしっかりしていない状況で、なぜしっかり調べて理解して書かれた記事だということが分かるのでしょうか。
何度も繰り返しますが、「割に合わないと思っている仕事は受けず、その他の仕事をすればよいだけ」です。
先にも書きましたが、専門家が書いた記事であれば1文字1円は問題ないと思います。むしろ安いくらいです。ただ今回の件で記事を書いたのは全員がその道の専門家でしょうか?
専門家ではない人、つまり素人が調べて理解して記事にしたもだった場合、いくら一生懸命書いたとしても私ならその記事に価値を見出せません。
逆に素人でも、その記事に書くコンテンツの内容を体験している人であれば、体験記事としての価値はあると思います。
もう1つ興味深いコメントを発見しました。
「記事の内容で判断すべき。PVを指標に入れれば分かる。」
興味深い意見ではありますが、疑問があります。つまり、納品された記事の内容をしっかりチェックするということが前提ということだと思います。
今回の某キュレーションサイトはどれだけ納品された記事をチェックしていたでしょうか?また、記事の内容って受注者側からすると大きく分けて2つの需要があります。
「ユーザーに気に入られるための文章」と「検索エンジンに気に入られるための文章」です。
また、「PVを指標に入れる」とのことですが、つまり納品された記事をアップして、しばらく様子を見て、その記事に集まったPVを計測し、その結果で報酬を支払うということでしょうか?
それとも、記事を書いてくれている人がブログ等を運営していて、1記事辺りどのくらいのPVを集められるのかということから、報酬を決定していくものでしょうか?
このあたりの意図がはっきりしないのですが、まず、PVを計測し、その結果で報酬を支払うなんてことはないですし、それでOKして記事を作成してくれる人なんて、余程のもの好きでなければいません。
また、PVを稼いでいるブログ等を運営している人の件ですが、色々書こうと思ったのですが、説明が面倒なので省きます。簡単に言うと、パワー媒体を運営している人が安い金額で他に記事を提供することってあるのかな?って感じです。
さらに追記
なんかこの記事が、結構広まっているようです。そして人により色々な解釈がされているようです。
時給計算のところで、「私なら時給6400円にはなる」と書きました。それについて単純計算すぎるという意見がありました。
はい、単純計算です。
本来は書く記事により、書き手の既存の知識や経験、ライティングスキルなどが絡み合ってくることでしょう。
ただ、例えば今回の某キュレーションサイトの件の場合、どの程度書き手のことを考えて記事の発注をしたと思いますか?
正直、そのあたりのことは何も考えてないと思います。というより、ふつう考えないと思います。
発注する側としては、自分たちの発注条件を満たす仕事、今回の場合記事を手に入れられれば良いのです。
そのため、納品してくる人が誰であろうと、どのくらいの知識を持っていようと、どのくらいの経験があろうと、そんなことは正直どうでもいいと思います。
また、1記事書くのに、10分だろうと、1時間だろうと、1週間だろうと、それ以上だろうと、さらには、コピペしようが引用しようが1から作り上げようがどうでもいいと思います。
発注者は「自分たちが求めている記事が手に入れば良いのです。」
そして、忘れてはならないのは、そもそも「時給ではない」ということです。案件ごとの報酬です。
なので、「いやぁこんなに簡単に短時間でこの金額がもらえた。ラッキー。」と思う人と、「こんなに苦労してその割にはこの金額しかもらえない・・・。」と思う人に、どうしても分かれてしまいます。
これは人により能力が違うからです。仕方のないことです。
割の良い仕事だと思う人は続けるでしょうし、割の悪い仕事と思う人は辞めたり、能力を向上させようと努力するでしょう。
なので、今回話題となっている某キュレーションサイトの案件のようなタイプは、「長い時間働いたんだから、たくさん報酬が欲しい」という人には、向いていないかもしれません。
「文章書くのが得意でタイピングスピードもかなりのもの。情報収集能力も高くライティングスキルも半端じゃない。でも出勤したくないし、家で自由な時に仕事をしたい。」という人には向いている仕事かもしれません。
全ての人が適材適所で働いていれば、世の中に不満も出ないことでしょうね。