サウナの中には「刺青・タトゥーが禁止」とされているケースは非常に多いです。
OKな場合でも、条件が設けられているケースがあります。
刺青やタトゥーが禁止されている理由は単純です。
「周りのお客様に不要な恐怖心や不安感を感じさせてしまうため」です。
サウナはリラックスした空間です。緊張しながら利用するべき場所ではありません。
ではなぜ周りのお客様は、恐怖心や不安感を感じてしまうのか。
その多くは「反社会勢力を連想させるためだから」です。要するにイメージなのです。
不安や恐怖を感じるイメージを止めることはなかなかできません。
サウナ側としても客商売であるため、多数派の意見を尊重する必要があります。
結果として、刺青やタトゥーが入っている人に規制をかけることにつながるのです。
ただし現在では一般の人でもファッション感覚でタトゥーを入れている人もいます。
また外国人に関しては、日本人よりもタトゥー割合が多いです。
そのようなことから、若い世代からするとタトゥーはそれほど抵抗のあるものではなくなっているのも事実です。
これは当サイトの意見というわけではなく、富士市の運営する施設である「ふじかぐやの湯」が行ったアンケート結果として出ています。
関係のあるデータを抜粋して紹介したいと思います。
刺青やタトゥーに関してのアンケート
富士市の施設「ふじかぐやの湯」で行われたアンケート結果から考察したいと思います。
公共の温浴施設が刺青お断りできないことを知っているか?
民間の温浴施設では入れ墨OKの施設が増えてきていることを知っているか?
ファッションタトゥー、海外のスポーツ選手やアーティストのタトゥーにどう感じるか?
ふじかぐやの湯において入れ墨そのものを規制する必要があるか?
ふじかぐやの湯で入れ墨を見て不安や恐怖を感じたことはあるか?
アンケート結果からわかったこと
アンケート結果から、わかったこと、大事なことをお話ししていきたいと思います。
まず入れ墨(刺青・タトゥー)に関してですが、公共の温浴施設であれば利用の拒否をすることはできません。だからふじかぐやの湯は入れ墨OKなのです。
次に半数以上の人が、民間の温浴施設で入れ墨OKが増えていることを知りませんでした。つまり「入れ墨=温浴施設NG」というイメージが残ってしまっているということです。
次にタトゥーに関してですが、約5人に1人は怖いと思うようです。年代にもよりますが、20代に関していうと否定的な意見が1割にも満たない状態です。ただし30代から否定的な意見が多くなっていっています。
このように一定数の反対派はどうしてもいます。そしてそれは年代によっても意見が分かれます。
アメリカ人の3人に1人はタトゥーあり
日本人に比べ外国人の方が刺青率が高いです。刺青というよりもタトゥーでしょう。
「Rew Research Center」が2023年に行った調査では、アメリカ人の32%がタトゥーを入れているということです。
つまり3人に1人ということになります。
一方、日本人の場合は約2%の人がタトゥーを入れているとのことです。
アメリカでは100人に32人。日本では100人に2人。
数字から見ると日本ではタトゥー保持者は少数派といわざるを得ません。そのためマイノリティーな存在に関しては排除されてしまっているのかもしれません。
インバウンド効果を高めたいのなら
インバウンド効果を高めたいということであれば、刺青やタトゥーに対してサウナ側は規制を緩める必要があるかもしれません。
日本の浴場は日本の文化そのものであり、日本文化を楽しみたい外国人観光客からしたら非常に魅力的な場所となるためです。
既存客を大切にしたいなら
既存客で経営が成り立っている状態であれば、インバウンドは無視し、規制を続けていけばよいと思います。
このあたりは経営者の判断となることでしょう。
富士市の状況から見てみる
富士市にも海外からの観光客が少なからず来ています。
そして観光客に向けたさまざまなサービスを少しずつではありますが、展開しているように思えます。
もし本格的にインバウンド効果を高めたいと考えるのであれば、日本文化に興味のある外国人に対し、もっと門を広げるべきでしょう。
今回の場合でいうと、刺青やタトゥーが入っていても施設利用OKということです。
その点でいうと、公共施設であるふじかぐやの湯の場合は受け入れ態勢が整っているかと思います。
ただしこれを個人が運営している施設(浴場)に広めるのは、もしかしたら難しいのかもしれません。
とくに当サイトでも紹介している「鷹の湯」や「湯らぎの里」は、地元の人に愛される施設となっています。内情を知るわけではありませんが、それほど集客に困っているとは思えません。
ちょっと惜しいと思う
惜しいと思うのは、ふじかぐやの湯がもっと昔ながらの銭湯のようだったら外国人に受けたかと思います。
「おしゃれな海外のスパ」のような感じであり落ち着いた雰囲気なのですが、外国人受けをもし狙うのであれば「昔ながらの銭湯」がよかったと思いました。