雀荘の外観や内装は集客にどの程度役に立つと考えているでしょうか。
個人的な見解では「ひどくなければよい」という程度です。
綺麗であればあるほどよいのですが、雀荘に来るお客さんの目的はあくまでも麻雀をすることです。外観や内装の良し悪しが最優先事項ではありません。
そのため、これから雀荘をはじめたいと考えている場合、内装にそれほどお金を賭けすぎてしまうことは避けたほうがよいと思うのです。
雀荘に来るお客の目的を理解する
雀荘に来るお客は、何を目的としてきているのかを今一度考えたほうがよいでしょう。
「雀荘の立地問題 交通の便がよくなくても何とかなる」や「雀荘で売上を上げたいならレートは上げすぎないこと」でもお話ししましたが、基本的に麻雀に関することを気にして集まってきます。
たとえば内装がとても綺麗だったとしましょう。しかし綺麗かどうかは人によって異なります。
よって平均点レベル以上であれば問題はないと考えるのです。
「あそこの雀荘、内装がものすごくきれいだから」という理由だけで、常連客になってくれるかどうかは怪しいところです。
外観や内装は1つの要素ではあります。しかしそれが絶対大事というわけではありません。
それよりも「長く打てるレートか」「打ちやすいか」「ほどほどのメンツが揃っているか」「待ち時間がないか」「店員がフレンドリーか」などの方がよほど重要なことです。
必要最低限が揃っている状況
外観や内装は客商売として、必要最低限が揃っていればよいと思います。
- 店舗周辺にゴミは落ちていないか。
- 店舗内にゴミは落ちていないか。
- 水回りは綺麗にされているか。
- 牌は綺麗に洗牌されているか。
- 卓は綺麗に掃除されているか。
など、これらはすべて基本的なことです。これらさえしっかりできていればよいと思うのです。
外観や内装が豪華なことは集客の要素にはなる
外観や内装は最低限整えられていればよいという話をしてきました。
しかしそれらが集客の手段になることもあります。
そのため豪華で綺麗であればあるほど良いといえば良いです。
客層をどこに絞るのかが大事
雀荘の外観や内装は、客層によっても変わってきます。
たとえば富裕層をターゲットとしているのであれば、それなりの状態にする必要があるでしょう。
そうではない場合には、そこまでこだわる必要はないでしょう。
つまりどれだけの売上を立てられるのか、立てられる予想があるのかによっても変わってくるということです。
初期投資はなるべく抑える方が続きやすい
私の根本にあるのは、経営とは長く続けられるようにすることが大事ということです。
そこで絡んでくるのは「お金」です。
何事も事業を始めようと考えたときには、事業資金を用意します。
この金額は人によって異なってくるかとは思いますが、いずれにしても、「1年間お客さんが0人だったとしても大丈夫な状態」にしたほうがよいと思います。
それを計算すれば、どのくらいの金額を外観や内装にかけられるのかが出てくるはずです。
その範囲内でお金をかければよいと思います。
3年以内に70%が潰れる
よく会社というものは「3年以内に70%が潰れる」と言われています。これは法人限定のことなのか、個人事業主も入っているのかはわかりませんが、事業を続けるというのは非常に難しいことなのです。
弊社もこれまで複数の企業に対してWEBコンサルティングを行ってきました。
その中でいろいろな会社の話を聞いてきているためわかるのですが、事業を継続することは本当に難しいことなのです。
誰もが「この事業は成功する」「この商品は売れる」と思って事業を立ち上げます。
しかし現実問題として、はじめに思い描いていたようにはなかなかならないのです。
その理由は、「曖昧な希望的観測が事業計画に含まれている点」です。
- この場所はいい場所だからお客さんが来てくれるだろう。
- 高いレートにしたら、高いレートを好むお客さんが来てくれるだろう。
- 安いレートにしたら、安いレートを好むお客さんが来てくれるだろう。
- 内装が綺麗だからお客さんが来てくれるだろう。
- 広告を打てば〇〇人くらいのお客さんが来てくれるだろう。
これって希望的観測なのです。根拠としてはあまりにも弱いのです。
可能性はもちろんあります。しかしそれを外してしまったときに回避策を用意しておく必要があるのです。
それを考えるためにも、そして施策を打つためにも、ある程度の資金は残しておく必要があるのです。それが1年間はお客さんが来なくても店が持つ状態にする必要があるという理由です。
はじめの1年は給与を取らない覚悟で
はじめの1年は、給与を取らない覚悟で事業を立ち上げたほうがよいです。
その事業にかける気持ちが大きければ大きいほど、その覚悟を強く持つ必要があります。
そのため、はじめはスタッフを雇おうとか考えないほうがよいでしょう。
もしはじめからそれなりのお客さんが来る算段があるのであれば、そしてオープンしてすぐに集まってきているというのであれば、その段階でスタッフを少しずつ増やしていけばよいと思います。
経営において重くのしかかるのは「人件費」です。
お客さんが全然来ていない状況で、店主が給料を取って行ってしまっては、事業が継続しにくくなります。
雀荘経営は難しい
雀荘に限らずですが、経営というものは難しいです。
「必ず」というものがあってないようなものです。
雀荘立ち上げの段階でどのくらいの資金調達ができているのかにもよりますが、外観や内装ですべてを使い果たす、もしくはほとんどを使い果たすようなことは避けたほうがよいと思います。
お客さんが付き、ある程度の収益が安定的に確保できた段階で、お金を賭ければよい話です。
「そういえばあんな雀荘あったね。すぐ潰れたけど。」
とならないようにしたいところです。お客さんからしてみれば数ある雀荘の1つです。1つ雀荘がなくなったとしても、「あぁなくなったか。じゃぁ他の店に行こう。」となるだけです。
お店が続くことが何よりも大事なのです。