富士市が街のPR動画を制作したので見てみた結果

富士市が街のPR動画を制作したので見てみた結果 BLOG

2018年4月11日の記事らしいのですが、「富士市が若者世代の移住を促進することを目的とした動画を制作した」という記事を目にしました。

制作費は3本の動画で約250万円。

人それぞれ思う所はあるかと思うのですが、私なりに思った感想と「こうしたら?」という意見を話していきたいと思います。

1.まずは動画を見てみた

早速動画のアップされているYoutubeの富士市公式アカウントにて動画を見てみました。

いただきへの、はじまり富士市
富士市公式YouTubeチャンネルです! 富士市の様々な情報を動画でお届けします!

ちなみにこの記事を書いているのが2018年4月29日。その段階での再生数は3本とも約500回。

■静岡県富士市移住プロモーション動画(20代編)

■静岡県富士市移住プロモーション動画(30代編)

■静岡県富士市移住プロモーション動画(子育て世代のママ編)

2.素直に思った感想

ここからはWEBマーケティングを行っている人間として、これらの動画を見て思った素直な感想をお話ししたいと思います。

■綺麗だがインパクトに欠ける

まず動画の内容としては別に悪くないと思います。綺麗に撮影していますし、何よりも実際の体験談をベースにしているのがよいと思います。

ただもう少しインパクトが欲しかったかなとは思います。要するに何を伝えたいのか、相手にどうしてもらいたいのかという点が弱い気がします。

こういった動画は、同じ人が何度も見返すわけではありません。基本サァーと見て終わりです。なので1度だけ見る視聴者に対して何かしらのインパクトを与えなければ印象に残り辛いのです。

これらの動画を見て「富士市っていいな。住みたいな。」と少しでも思ってもらわなければなりません。そう思える人はどのくらいいるでしょうか。

■制作費は妥当

250万円という金額に色々思う人もいるかと思います。3本制作しこのクオリティーですから私としては妥当かなと思いました。むしろもっと高く見積もる会社は数多くあるかと思います。

■動画のプロモーションが必要

富士市のYoutube公式アカウントの登録者数は、私の見た時点では505人です。

まずこの数が少ないです。そのためどうしても再生数が伸びません。

どんなに良い動画を制作したとしても多くの人に見てもらえなければ意味がありません。

今回のケースで言いますと「動画を見てもらうためのプロモーションを行う必要がある」のです。

動画を作成しアップしたら終わりではないのです。

記事には以下のことが書いてありました。

今後はSNS(会員制交流サイト)などを通じて動画のPRを図るほか、首都圏で開催する移住相談会などで活用する方針。

参照元:http://www.at-s.com/news/article/local/east/477671.html

私が知らないだけかもしれませんが、どのSNSでどのようにPRするのでしょうか?目標再生数は設定しているのでしょうか?

首都圏で開催する移住相談会などで活用するというのは1つの方法としてはアリだとは思います。ただここでも問題があります。移住相談会にはどうやって人を集めるつもりなのでしょうか?

3.普通の会社では大きな問題になっていると思う

私は富士市のマーケティングにおいては正直あまり良い印象を持っていません。なぜなら今までの色々やっているようですが実績が見えないためです。

特に最近の失策として「スミドキU-40」という制度があげられます。この制度が決まったときからよく分からない、目的のハッキリしない制度だと思っていました。

結局、富士市は3億円以上をこの制度で使用しているようです。

参照元:http://orz.fujiblog.jp/?eid=1074508

成果さえ出ていれば使っている金額は正直二の次なのですが、どうなのでしょう?

この制度について突っ込みどころしかないですし、ここで詳しくお話しするつもりはありませんが、1つ言えることは

「3億円使うなら、今回の動画のような施策を行ったほうがよっぽど良い」

と思います。

この制度について富士市がどれだけの評価をしているのか分かりませんが、一般的な会社だったら「かけた予算と得られた効果のバランスが悪すぎて責任問題になるレベル」だと思います。

つまり富士市が「株式会社富士市」だったとして、この制度は続けていくに値するのか、そうではないのか、どのように判断しているのか知りたいとことです。

今回のケースの場合、ただ動画を作りアップするだけでは意味がありません。

できるだけ多くの人に見てもらい、少しでも「富士市っていいなぁ」と思ってもらわなければなりません。

その先駆けとして、「スミドキU-40にあれだけのお金を投入するのなら、数名のインフルエンサー(Youtuber、ブロガー)に富士市を紹介してもらったほうがよっぽど効果がある」と思うのです。

少なくても今以上の成果は絶対に出ます。

ちなみに好きでよく見ているYoutubeチャンネルに「カズチャンネル」があります。チャンネル運営者は有名Youtuberのカズさんです。

彼のチャンネルの中に静岡に関する動画が3本あり、最近アップした動画は約1ヶ月で18万回再生されています。動画の一部には富士市のバンジージャンプも登場しています。

■人生初のバンジー旅!in 静岡(カズチャンネル)

※9:48秒あたりから

彼の動画の性質上、若干面白おかしい動画のため再生数が伸びているというのもあるとは思いますが、彼ほどの影響力があればこのくらいの再生数を獲得できる目安にはなると思います。

この再生数には賛否両論がありますが、少なくても再生数を獲得できたという事実は残ります。

4.本当に知りたい 富士市が何を考えているのかを

WEBに関することしか分からないのですが、富士市が行うWEB関連の施策の目的として、よく分からないものが多々あります。

「富士氏」というフェイスブックページ(最近閉鎖)やふるさと納税のページ、そして今回の動画。

結局どうしたいのか?目的は何なのか?

これが大事です。

恐らく目的はこれじゃないかなぁ・・・という想像は付くのですが、その目的に向かった行動として何をしているのかよく分かりません。

つまりたとえば今回の動画ですが、出来栄えとしては良いと思います。そしてこれをネット上にアップすることによって多くの人に見てもらい、富士市への移住者を増やすことを目的としていると思います。

しかし「多くの人に見てもらうにはどうすればよいか」という点が見えてきません。

また、内容はともかく拡散したいのであれば、動画としてのインパクトは小さいです。

綺麗で良い出来ではありますが、拡散させるためのインパクトが小さく、メッセージ性も弱いです。

「やりましたよ」というアピールではなく、「やってこんな成果が出ましたよ」という成果が欲しいところです。

学校であれば、「結果がすべてじゃない。過程が重要なんだ。」で話は終わります。

しかし一般的な会社ともなると「結果がすべて」という面が強いです。でなければ会社は成り立たないし、従業員を路頭に迷わせてしまいますからね。

ぜひ結果を重要視して施策を行ってもらいたいと思います。

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